本記事では「Who You Are(フーユーアー)君の真の言葉と行動こそが困難を生き抜くチームをつくる」を紹介します。 何らかの社会で生活していく上で、そこの文化は私達の行動に影響を与えます。 そのような文化というものが、どのように構築されていくのかということに興味が出て本書を読みました。 本書を読むことで、いくつかの事例を交えてそこから得られる教訓を知ることができます。 これから社会の中で同僚と働く際に指針を建てなければならない人たちには役に立つ書籍だと思います。

本の概要

組織における文化の大切さに加えて、いくつかの組織文化構築の事例を挙げて文化の構築方法およびそれらの効果を紹介しています。

組織に所属する人たちは、プレスリリースや業績といったことよりも、働いているときにどんな気分になったかということをいつまでも覚えています。 このような体験はその組織の気質・気風といったものであって、仕事がうまく行かないときの判断の拠り所となり、これが積み重なることである種の目的意識が生まれると説明しています。

組織に所属する人間が、トップがいないところであらゆる判断をどう決めるかが、組織の文化となります。 嘘をついてでも利益を優先すればいいという根拠で判断を続ければ、そのような文化が生まれてしまいます。

良い文化を持つ組織が成功するというわけではないという注意はしつつも、上記のように長い時間軸でみると、組織文化のおかげで困難な障害を打破できるということから、本書では文化構築を事例ベースで紹介しています。

要点

以下で挙げる要点は、いかなる組織でも参考にするべきというわけではありません。 自分の理想と照らし合わせて、必要と思うものを参考にするというのが良いと思います。

  • うまくいっていることを続ける: すべてを変えたくなることもあるがもともとの強みを新しい目的に活かすほうが良い。
  • ショッキングなルールを作る: 記憶に残らないルールでは文化も忘れ去られる。例えば1分でも遅刻したら罰金というルールが作られた場合、組織の人員は自制心が求められているということを理解する。
  • 外部からリーダーシップを取り入れる: 文化を変えたいときは軋轢があるとしても外部からリーダーシップを取り入れることで文化の改革が進む。
  • 何が最優先かを行動で示す: 新規ビジネスにかじを切りたいのなら、過去の貢献があろうとも既存ビジネスは切るような決断を周囲に見せなければ組織の人はどっちつかずの中途半端な状態になる。
  • 言行を一致させる: 自分が言ったことは行動に移す。自分が言行一致しなければ、組織の文化も言行一致しなくなる。行動は言葉にまさる。
  • 倫理観をはっきりと打ち出す: 非倫理的な行動を許容して売上を最優先させるような判断を続けると、組織がそういった文化になってしまう。判断の積み重ねによって文化が作られるので自分が優先したいことを明示する。

まずは自分の理想というのものをよく理解し、その理想を組織全体に広めるために上記のような施策を実施するというのが大事ですね。 また特に行動の重要さを感じます。 自分あるいは自分の理想というのは、言葉よりも行動によって周囲に認識されることをよく理解しておきたいです。

おわり

本記事では「Who You Are(フーユーアー)君の真の言葉と行動こそが困難を生き抜くチームをつくる」を紹介しました。 組織における文化の大切さ、また文化の構築方法を事例を交えて紹介しています。 各事例のストーリーを楽しみつつ、そこから私達が得られる教訓をわかりやすく学ぶことができます。

著者のプロフィール

本書の著者はベン・ホロウィッツ(Ben Horowitz)氏です。Amazonからプロフィールを引用します。

ベン・ホロウィッツは次世代のテクノロジー企業のリーダーとなる起業家に投資するベンチャーキャピタル、アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)の共同創業者兼ゼネラル・パートナー。ニューヨーク・タイムズのベストセラー『HARD THINGS』(日経BP)の著者でもある。アンドリーセン・ホロウィッツを立ち上げる前はオプスウェア(旧ラウドクラウド)のCEO兼共同創業者を務めた。ラウドクラウドは2007年にヒューレット・パッカードから16億ドルで買収されている。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)でコンピューターサイエンスの修士号を取得。またコロンビア大学でコンピューターサイエンスの学士号を取得している。妻と3人の子供と共にサンフランシスコ・ベイエリアで暮らしている。


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