本記事では【ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣】について概要を紹介します。 本書では習慣による長的な成長の効果を紹介するとともに、どのように習慣を身につけるのか、といった点に焦点を当てて、具体例とともに解説しています。 多くの自己啓発本では目標を設定することの大事さを主張していますが、本書では習慣を身につけるための仕組みが重要であるとし、仕組みを分解して説明しています。 本書を読むことで、習慣を身につけるための具体的な仕組みの作り方について学ぶことができ、今日からの生活に組み込むことが可能になります。

目次

本の概要

本書では、小さな変化でも習慣として続けることで長期的に見ると大きな変化が生まれることを説明しています。 たとえば一日1%の改善を続けると、1年後には約37倍の結果が得られます。 このように考えると、福利効果の高さを想像できます。

福利効果を高めるには継続が大切であり、また継続するには習慣が大切になります。 習慣をつけるために大切なことは目標を掲げることではなく、本書では仕組みを作ることであると主張しています。

ここでは仕組みは大きく4つのステップからなることを述べています。

  • はっきりさせる: 日々の習慣を始めるタイミングを明確にする
  • 魅力的にする: 日々の習慣を終えたときのご褒美を作る
  • 易しくする: 日々やるべきことを難しくしすぎない
  • 満足できるものにする: 再び繰り返す確率を上げる

また習慣にも悪いものがあります。 悪い習慣にもやはり仕組みが必要で、それは上記の逆であり、以下のステップからなることを述べています。

  • 見えないようにする:
  • つまらなくする
  • 難しくする
  • 満足できないものにする

要点

目標を立てることの重要性はよく聞きますが、本書では仕組みの重要性を述べている点が印象的でした。 なぜなら目標は達成した瞬間に終わってしまうものであり、それ以降、習慣は途切れてしまうからです。 目標達成までのやる気だけに頼るのではなく、やる気がなくても続けられるように環境を用意することが大事です。

また、アイデンティティーに対する誇りが強くなるほど、習慣を継続しようというやる気が湧いてくるという主張も納得させられるものがありました。 たとえば自分がスポーツマンであるという自負があるなら、運動しないことが自分の中で許せなくなってくるような状況です。 自分はスポーツマンじゃないし、運動なんてできないよなあと言っている時点で高い目標を立ててしまうと、挫折してしまいますよね。

本当の行動変化は、アイデンティティーの変化である。やる気があれば習慣を始められるかもしれないが、その習慣を続けられるのは、自分のアイデンティティーの一部になったときである。

では、アイデンティティーとはどのように作られるのかということが気になります。 アイデンティティーは生まれつき持っているものではなく、その人の経験したこと、習慣から生まれます。 そのため、自分がどういった人間になりたいのかを日々更新し、そういう人間ならばどういった習慣をするかを考え、実践する。 実践では小さな勝利をおさめ、自分がその人間になっているのだということを証明することが必要です。

小さな勝利をおさめる確率・回数を上げるための仕組みを作りたい方はぜひ本書を読むことをおすすめします。

おわり

本記事では【ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣】について概要を紹介しました。 ほかの自己啓発本と異なるのは、習慣のために必要な仕組みに焦点を当て、要素を分解して解説している点でした。 習慣には良い習慣と悪い習慣があり、それらのどちらに関しても仕組みを解説していました。

著者のプロフィール

本書の著者プロフィールをAmazonより引用します。

ジェームズ・クリアー(James Clear) 「習慣」「意思決定」「継続的改善」を専門とし、書籍の執筆だけでなく、講演も多数おこなっている。その著作はニューヨーク・タイムズ紙、タイム誌、アントレプレナー誌に掲載され、テレビ番組『CBS ディスモーニング』でも紹介された。公式ウェブサイトの閲覧数は毎月数百万回にのぼり、メルマガも数十万人に購読されている。定期的に「フォーチュン500」に名を連ねる大企業で講演をおこなう著者が提唱する方法は、NFL(米ナショナル・フットボールリーグ)、NBA(米国プロバスケットボール協会)、MLB(メジャーリーグ・ベースボール)でも利用されている。さらに、「ハビッツ・アカデミー」というオンライン講座の受講者は、指導者、管理職、コーチ、教師をはじめ1万人以上。生活や仕事上でよりよい習慣を身につけたいと考えている個人や組織のための最高の養成講座となっている。ウエートリフティングや写真が趣味という著者は、現在、妻とともにオハイオ州コロンバスに在住している。


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